本来なら、引越し先は焦らずじっくり決めたいところ。でも、引越しは不動産屋巡りから内見、契約……と、予想以上にやることが多いですよね。そのため、忙しい社会人のかたのなかには、ネットの情報だけで決めてしまったり、内見した最初の1件で決めてしまうなんてこともあるようです。仕事をしながらでは時間がとれず仕方のないことかもしれませんが、のちのちトラブルにならないよう、最低限の知識は携えておいたほうがいいでしょう。
そこで今回は、短期間でも上手に引越しをするために覚えておきたい「物件見極めチェックポイント」16項目をご紹介します。
内見時のチェックポイント
1. 部屋の配置を確認する
似た部屋が並んでいる場合でも、角部屋のぶん少し広かったり、左右反転していたりなど、部屋によって差があります。不動産屋さんにもらった間取り図とは異なる場合があるので、きちんと自分の目で確認しましょう。
2. 平米数を確認する
1の部屋の配置と同様、実際の平米数と間取り図に書かれている平米数が違う場合があります。これは、収納スペースやキッチンのコンロが置かれているようなスペースも平米数にいれている場合、入れていない場合があるためです。資料の情報をそのまま鵜呑みにせず、一度、不動産屋さんに聞いてみたほうがよいでしょう。
3. メジャーで測る
持ち込む家具などの寸法を事前に測っておきましょう。その上で、内見時にはメジャーを忘れずに携帯し、部屋の寸法と照らし合わせます。冷蔵庫や洗濯機など置き場所が決まっているものに関してはなおさらオススメします。あと数センチ幅が足りなかった……なんて事態を防ぐことができますよ。
4. スイッチは全てつけてみる
電気が切れていたりする場合、入居の時なら換えてもらえます。浴室乾燥などの設備についても不備がないか確認しましょう。あとからでもオーナーさんに直してもらえると思いますが、その間使えなかったり、余計なやり取りが必要となってくることもあるので、最初に申し出ることが大切です。
5. 開けられるところは全て開ける
クローゼットや押し入れだけでなく、キッチン下や網戸など開けられるところは全て開け、広さやすべりなどを確認しましょう。建て付けが悪い場合、「このくらいなら平気かな」と思っても、生活していく上で徐々に悪化していくこともあります。
6. 水を出してみる
キッチンや洗面所も大切ですが、特にシャワーを浴びる時に水圧が低いとがっかりしますよね。一日の仕事の疲れをシャワーで洗い流すという人も多いかと思います。気持ちよくフレッシュするためにも、内見時に実際に水を出して確認しておきましょう。
7. コンセントの数と位置を確認する
コンセントの数が少ないと、たこ足配線になったり、部屋中をコードが横切るようなことにもなりかねません。また、家具の設置場所にも関わってくるので位置もしっかり確認しましょう。1Rなら、リビングに2箇所、通路に1箇所、洗面所に1箇所ほどが妥当です。
8. 音の響き具合を確認する
最近では古い物件でもリノベーションしていてきれいなところも多いですが、住宅構造についても目を向けたほうがいいでしょう。音がどうしても気になるというかたには、鉄筋コンクリートの物件がおすすめ。木造はやはり響きやすいです。隣の部屋が空いているなら、立会いの不動産屋さんにそちらで音を出してもらうなどし、壁の厚みも確認しましょう。
9. 電波状況を確認する
いつなんどき連絡をとる必要に迫られるかわからないビジネスマンにとって、安定した電波状況は不可欠ですよね。都心でも、高い建物が近くにあったりすると電波が入りにくい場合があります。部屋の要所要所でスマホ片手に確認するようにしましょう。
10. インターネット環境を確認する
良好なインターネット環境ももちろんビジネスマンには必須。いくら家賃が安くても、個人契約かマンション契約かで月々支払う料金も違ってきますし、なかには希望の回線に接続できないところもあるでしょう。NTTフレッツ光の場合、ホームページから提供エリアや料金を確認することができます。活用してみてくださいね。
周辺環境のチェックポイント
11. 物件の空室状況を確認する
ほかの部屋がどれだけ空いているかも気にしたほうがいいでしょう。きれいで条件もいいのに空室が多いような場合は何かしら問題があります。要注意!
12. 大家さんの所在を確認する
大家さんがどこに住んでいるか把握しておくことも実は大切。物件によっては、隣の部屋に住んでいる可能性もなくはありません。近いと何かしらトラブルが発生した際にも安心ですが、近すぎると変に気を遣う生活を送ることになるかも。
13. 周辺を歩いてみる
駅から家までの間にコンビニやスーパーがあるか。また、夜は真っ暗でないか。内見時だけではわからないこともたくさんあります。会社帰りにでも、一度周辺を歩いてみるとよいでしょう。「駅近物件」とあったはいいものの、線路のすぐそばで夜眠れない……なんてことも十分あり得ますからね。さらに、学校や畑、幹線道路沿いは夏場の砂埃が強烈です。畑のそばなどは開けていて眺めがいいかもしれませんが、気をつけたほうがいいでしょう。
契約時のチェックポイント
14. 契約書の内容を確認する
細かい文字が半永久的に続く契約書……。どこから何に目を通せばいいかわからないという場合は、「特記事項」と「重要事項説明」に注目してください。
「特記事項」とは、その物件特有の契約内容になります。原状回復にかかわるすべての費用は借り主負担とするといった不利な内容が記載されている場合もあります。そのほかにはペットの可否などもこちらに書かれるのが通例です。また、入居前に不動産屋さんと約束した内容(部屋のクロスは入居までに新しいものに張り替えるなど)は記載してもらうのが望ましいでしょう。
「重要事項説明」は、築年数や住宅構造などの建物状況と、家賃や共益費などの支払い方法などを定めたもの。契約日当日に不動産屋さんから説明を受けるのが一般的ですが、はんこを押してしまったあとでトラブルが起きても、知らなかったでは済まされません。なるべく事前に書類を取り寄せ、念入りに確認したほうがよいでしょう。
15. 解約予告の時期(通常退去前2ヵ月程度)を確認する
入居時はあまり考えないかもしれませんが、異動などで予期せずまたすぐに退去しなければならない場合もあるかと思います。最低契約期間や解約予告の時期などは最初に合わせて確認しておきましょう。
16. 敷金・礼金
最近では「敷・礼0物件」なども流行っていますね。確かに礼金はないにこしたことはありませんが、問題は敷金。一般的な契約では、敷金から退去時の清掃代を差し引いた残りが戻ってくることになっています。しかし、なかにはこれを受け取ったことがない、というかたもいるかと思います。不動産屋さんに言えば、清掃の際にかかった費用明細を送ってもらえます。自分が渡した敷金の額を下回っている場合は、きちんと残りを請求できますのでご安心を。念のため、契約時からしっかり話を通しておきましょう。
まとめ
社会人の引越しは時間が限られているぶん、妥協しなければならない点もでてくるかと思います。でも、最低限の確認は怠らず内見、契約に臨みましょう。今回挙げた16のチェック項目を参考に、素敵なお部屋を見つけてくださいね。