愛知県西三河地方に位置しているのが安城市です。市の全域にわたってなだらかな地形が続いているため、昔から農業の先進地として発展してきました。なかでも、米や小麦、イチジク、梨などの生産が盛んです。特にイチジクは、お隣の碧南市と合わせて日本有数の産地であり、ジャムやワイン、ゼリーといった加工品の製品化も進んでいます。さらに、日本の工業が発展していくにつれ自動車部品メーカーなどの工場が建ち、工業都市としても発展している街です。
安城市が誕生したのは1952年5月5日ですが、ここには太古の昔から人々が暮らしていました。市内には遺跡や史跡が数多く残り、縄文時代晩期の貝塚やお墓も見つかっているというから驚きです。戦国時代には安祥城というお城があり、松平氏が4代にわたって居城としていました。松平氏は徳川家康のルーツとなる家系であり、いまも市内には家康が整備した東海道の松並木が残る場所があります。さまざまなデータから、歴史ある土地だということがうかがえます。
このように、数々の特色を持つ安城市ですが、実際に暮らすにはどんな市なのでしょうか。口コミを集めてみましたので、その一部を紹介します。
アンケートの結果、安城市内には複数の鉄道路線や国道が走っていることから、西の名古屋方面、東の豊橋方面のどちらにも行きやすい街だということがわかりました。さらに、新幹線こだまが停車する三河安城駅があることも大きな魅力です。
・安城市の鉄道路線は、東海道新幹線(三河安城駅)、JR東海道本線(安城駅、三河安城駅)、名鉄名古屋本線(新安城駅)が通っています。愛知県の中心部である名古屋駅からは、新幹線では約10分、在来線では約40~50分です。道路は、国道1号や国道23号などの幹線道路が東西を走っています。(30代/女性/専業主婦・主夫)
・名古屋鉄道本線とJR東海道線が市内を並行して走っており、名古屋方面、豊橋方面とも非常に便利な場所にあります。(40代/男性/会社員)
・東海道新幹線の三河安城駅があるので、遠方からのアクセスもしやすいです。(30代/男性/公務員)
名古屋市をはじめとする近隣都市への交通の便がいいこと、さらに新幹線を利用できることでの遠方へのアクセスの良さが、安城市での暮らしやすさにつながっているのですね。鉄道だけではなく、国の主要道路である国道1号線、さらに1号線のバイパス道路として整備されている国道23号線が走っているため、自動車でも各方面へ行きやすい街です。
公園や歴史スポットに回答が集まり、なかでも「安城産業文化公園デンパーク」を挙げる人がたいへん多くいました。
・安城産業文化公園デンパークをはじめ安城公園などの公園が多く、本證寺や二子古墳など歴史的な名所もあります。(40代/男性/無職)
・安城産業文化公園「デンパーク」が有名です。稲作、畑作などの各種農業が盛んな安城市は、農業先進国のデンマークにたとえられたことから、このデンパークが生まれました。イベント、ショッピング、グルメなどが楽しめます。2018年3月には室内外のあそび場がリニューアルされ、乳幼児から小学生の遊び場として大人気です。(30代/女性/専業主婦・主夫)
・アライグマやシカがいる安城公園や、観覧車やメリーゴーランドなどが50~100円で楽しめる堀内公園が有名です。(30代/女性/専業主婦・主夫)
安城産業文化公園デンパークは、地域の人々にたいへん愛されている公園だということがわかります。そのほか、動物がいて春には桜の名所となる安城公園や、観覧車などの遊具がある堀内公園も人気でした。こういった家族連れや友人同士で楽しめる公園が多いことが、安城市の魅力のひとつといえるのではないでしょうか。また、4世紀のはじめに築造されたという二子古墳、三河一向一揆の際に家康と敵対した本證寺など、歴史を感じさせるスポットもたくさんあることがわかりました。
駅の周辺が商業地として発展している一方、にぎやかなエリアから少し離れれば静かでのどかな雰囲気が魅力的という意見が多くありました。
・安城市は駅周辺のにぎやかな地域と緑の多い地域で大きく分かれています。お店やお買い物をする場所も多く、マンションよりも戸建てが多いです。緑が多いため国道1号線のような大通りを外れると静かな街並みです。(30代/女性/パート・アルバイト)
・市街地は安城駅を中心として広がっています。都会の風景と田畑の穏やかさが程よく融合した街並みです。(40代/男性/会社員)
・農業先進地として、市の約半分程は田畑に利用され、のどかな風景が広がっています。しかし近年では自動車工業をはじめとする機会業も盛んになり、人口増加に伴う田畑の宅地化が進んでいます。駅周辺の中心市街地の活性化など、子どもからお年寄りまでが住みやすいまちづくりが積極的に行われています。(30代/女性/専業主婦・主夫)
駅前に行けばなんでも揃うというのは、生活するうえでたいへん便利なことです。賑わっているのは駅前などの限られたエリアですので、「静かな場所で暮らしたいけれど、不便を感じたくない」という希望を叶えてくれる街といえるのではないでしょうか。もともと日本のデンマークともいわれるほど農業が盛んな土地であるため、田んぼや畑が多いのも納得です。
住宅街安城市の住宅地は、農地を宅地化した場所も多く、静かでのんびりとした雰囲気が魅力という結果になりました。その一方で、駅前にはお店が建ち並び、名古屋市や豊橋市へのアクセスも良いため、不便を感じることはほとんどないようです。一日中遊べる公園や歴史に触れられるスポットがたくさんあり、市内で気軽にお出かけが楽しめるのもいいですね。農業や工業が盛んなことも、地域の活性化に一役買っているのでしょう。安城市は、静かな住宅街での暮らしと便利さの両方がある都市といえそうです。
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