
思いつきで始まったスタートアップやベンチャーの一人暮らし訪問企画。その名の通り、スタートアップやベンチャー企業で働いている一人暮らしの方を対象に、お部屋を訪問し、彼らの生活感をお伝えする企画だ。
3回目を数える今回は、面白法人カヤックの兼康希望(かねやすのぞみ)さん。半年前に渋谷から引っ越してきたという兼康さんは、なんでも「カヤックいちのオシャ部屋に住んでいる」とのこと。
この企画は生活感がどんどん暴かれるので、様々な企業担当者から敬遠され、取材を断られてきた。しかし、今回はすんなりと快諾してくれた上、めちゃくちゃオシャレな部屋だとのこと。かなり自信があるに違いない。
生活感を暴く立場としては少々手ごわさを感じるが、関係ない。生活感を暴くべく、わたしは嬉々として、元住吉に向かった。
お部屋のスペック
- 最寄り駅:元住吉
- 家賃:79,000円
- 間取り:1R
- 築年数:26年
- この部屋の好きなところ: 多肉植物、ベランダ
- この部屋の嫌いなところ: 台所の水道
- カヤック暦:7年
植物だらけの部屋
ドアを開けると、そこは一面、緑、緑、緑……

まるで、家の中じゅうに熱帯雨林が広がっているようだ。
生活感を探そうにも、植物たちが視界を遮る。
これぞ、生活感を隠す、天然のカモフラージュだ。自然に注目させ、気を逸らす。これも作戦のうちなのか……。

植物のために、日当たりの良い窓がある部屋を探していたという
ののか「植物ありますけど、引っ越しのとき大変じゃなかったですか?」
兼康さん「まぁ運ぶのは運送屋さんですからね。すっごく辛そうでしたよ」
ののか「鬼だ」
多肉植物好きが高じて、多肉植物協会に所属しているという兼康さん。月に1度会報誌が送られてくるそう。その会報誌には多肉植物を育てる中での気づきや、自生する世界じゅうの多肉植物の写真が掲載されているんだとか。
兼康さん「協会では多肉植物のオークションもあるんです」
ののか「底値いくらから始まるんですか?」
兼康さん「10万円くらいからですね」
ののか「レベル高ぇっ!」

兼康さん「これはハオルチアの万像という植物で、「窓」と呼ばれる柄の模様によって値段が全然違うんですよ」
多肉植物について語る兼康さんは、何だかとっても幸せそうだ。
ののか「多肉植物関係の仕事されたほうが良いんじゃないですか?」
兼康さん「余計なお世話ですね」
台所を暴く

オシャなりんごが憎い
植物に阻まれて、確認できなかった生活感。しかし、多忙な生活を送っている20代男性の一人暮らしの部屋がこんなにもキレイにまとまっているはずもない。
ならば、生活感の宝庫を探ろう。そう思い、わたしは台所を探ることにした。

アマゾンの木々から切り出したような「オシャまな板」

「オシャ塩」もあった
だが見渡せどオシャグッズしか見当たらない。さすがはカヤック一のオシャレ部屋に住む兼康さん。手ごわい……。
動揺を隠せないわたしに、とどめをさすのは、ハイクラスタオシャ鍋の『STAUB(ストウブ)』。これとっても高いやつだ。この家に引っ越してから、料理をするようになったという兼康さん。休日は元住吉に住むカヤックメンバーとホームパーティをしているという。
どうやらオシャレなのは部屋だけでなく、生活にも及んでいるらしい。ちょっと腹立たしい。
ののか「へぇ~、この鍋で袋ラーメン茹でたらおいしいですよね!」
兼康さん「茹でませんよ!」
ののか「ちっ」
カマをかけてもダメだった。さすがカヤック一のオシャ部屋に住む兼康さん、ガードが固い。

本まであった
兼康さん「本もセットで買うと、すっごく良いですよ」
ののか「テレフォンショッピングみたいに言わないでください」
兼康さん「まぁちょっと見ててください」


兼康さん「これで、フタをして火にかけるだけです! 便利でしょ?」
ののか「営業力と女子力高いな……?」
結局、台所にも生活感を見つけることができなかった。
元住吉を見渡せるベランダがあった
美味しい料理に気をとられて任務を忘れるところだった。これも、兼康さんの策略か……。優しい顔をして、ただものではない。
気を取り直してベランダへ。
兼康さん「うち、変わった作りなんですよ」
ののか「後からつけました感がすごい」
しかし、そこから見渡せる元住吉の風景は圧巻だった。


「天下をとったような気持ちになりますよね」
そう言っていそうなポージングだ。
外置きのドラム洗濯機を見つける
そしてわたしは洗濯機を発見する。丁寧にカバーがかけられた洗濯機はドラム式。ブルジョワジーの産物だ。
兼康さん「せっかくドラム式買ったのに、外置きだとカバーかけても色褪せちゃって……」
ののか「へぇ~、それはお気の毒ですねぇ~……」
嬉しくて仕方がない
ちなみに、こちらの木材は工事とは関係なく、自身でDIYしようと買ってきたとのこと。残念ながらここにも、生活感はなかった。
最後のあら探し

ベッドルームもおかしなところはない
わたしはそろそろ焦ってきた。
20代男性の一人暮らしのはずだよね? どうしてこんなにキレイにまとまっているんだ……?? きっとどこかに何かないとおかしいよね? おかしいよね?
ののか「兼康さんは絶対に何か隠しています。ちょっと失礼します」
兼康さん「え、ちょっと、何ですか!?」
冷蔵庫!
食材が充実している……ダメだ。
冷凍食品がゼロ! 何か入れろ!
トイレの上に天窓! オシャレ!
ソファの下には薄い本が! ……なかった。

ののか「もっと生活感出してもらわないと、わたし帰れないじゃないですか!」
兼康さん「じゃあ、こことかどうですか? コードが絡まって……」
ののか「もっと散らかってるの、ください!」
鬼のような形相で、人様の家の戸棚を開けまくるも、全く以て生活感が見つからない。どうして! どうしてなんだ……!
兼康さん「あ、あの……台所の蛇口が良いネタになるかもしれませんよ?」
ののか「まじで!? 神! 見せて!」
兼康さん「水が漏れてるんです!」

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結論:この部屋に、生活感はなかった。
まとめ「カヤックトップレベルのオシャ部屋には、生活感はなかった」
結局、手作りの料理までいただいて、居座ること4時間。散々いろんな戸棚を開け、モノをひっくり返したが、生活ぶりを感じさせるものは見当たらなかった。悔しい。
リベンジをはかるため、今度は抜き打ちでお邪魔しようと思っている。
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