「ペット共生マンション」という言葉を聞いたことがあるでしょうか？
ペット”可”マンションではなく、ペット”共生”マンションで、じつはこの2つには明確な違いがあります。
今回は、ペットと一緒に暮らせる賃貸マンションをお探しの方のために、ペット共生マンションとはどんな物件なのか？ メリットとデメリットはなんなのか？ について詳しく解説していきます。
ペット共生マンションとは？
ペット共生マンションは、全ての入居者がペットと暮らすことを前提にしているマンションを指します。共用部と室内にはペットのための設備が整えられており、ペットと暮らしやすいように配慮して作られています。最近では古い物件をリノベーションしてペット共生マンションに作り直すなど、ペットと暮らせるマンションとして注目を集めています。
ペット可マンションとの違い
ペット可の賃貸マンションの場合、全ての入居者がペットと暮らしているとは限りません。中には動物があまり好きでない方もいるでしょうし、ペット向けの設備が揃っているわけでもありません。それに対し、ペット共生マンションはペットと暮らすことを前提にした物件であり、ペット対応の設備が充実しているという点に大きな違いがあります。
ペット共生マンションについては、賃貸用語辞典でも詳しく解説しています。
ペット共生マンションのメリット
1：ペットのための設備が充実している
ペット共生マンションは共用部、室内にペットのための設備が整えられています。共用部にはペット専用の足洗い場、グルーミングルーム、汚物ダスト、ドッグランなどが設置されています。汚物ダストはワンちゃんのうんちを捨てるためのゴミ箱で、部屋までうんちを持ち帰らずに済みます。ペット同士が鉢合わせしないように、 ペット乗車中サイン付きエレベーターを導入しているマンションもあります。
室内にはペット対応床材、ペット対応クロス、リードフック、くぐり扉、ドッグフェンス、猫棚、脱臭器などが設置されています。通常のフローリングは犬にとってとても滑りやすいため、股関節を痛めてしまうことがあります。ペット対応床材は足を滑らせにくい仕様になっていて、傷がつきにくくなっているので、安心して室内で歩かせられます。猫棚は壁などに段を設けた猫が昇り降りできる棚で、猫の運動不足やストレスの解消に役立ちます。
2：大型犬、多頭飼いも可能
ペット可賃貸マンションの場合、ペット可とはいってもペットの種類、大きさ、頭数によっては入居を断られることがあります。ペット共生マンションは大型犬の飼育や多頭飼いがOKのところが多いので、その点ではペット可賃貸よりも入居がしやすいです。ただし、ペット審査があるため、必ずしも入居できるというわけではありません。（※マンションによって審査基準が異なります）
3：全ての入居者がペットを飼うことを承認している
ペット可の賃貸マンションでは全ての入居者がペットに理解があるわけではなく、ペットを飼っている人と飼っていない人の間でトラブルが起きることがあります。ペット可であるとはいえ、ペットを飼うことをあまり歓迎していない方もいるでしょう。
ペット共生マンションは全ての入居者がペットを飼うことを承認しているため、理解の相違からくるトラブルに発展しにくいです。もちろん最低限のマナーを守る必要がありますし、トラブルがまったくないわけではありませんが、「ペットと暮らす」ということを前提としているかいないかで入居者同士の理解が大きく違ってきます。
4：入居者同士のコミュニケーションが生まれやすい
犬好き、猫好き、それぞれ好みの違いはあれど、動物が好きという共通点を持った人が入居しているため、入居者同士のコミュニケーションが生まれやすいです。面識がない同士でもペットを連れているとどちらからともなく会話が生まれ、自然に顔見知りになります。
明確なコミュニティがあるわけではないですし、会合に参加しなければならないわけでもないので、気楽に他の入居者とコミュニケーションができます。ペットしつけ教室を開催しているマンションもあり、そうしたイベントも入居者同士のコミュニケーションの場になります。
ペット共生マンションのデメリット
1：物件数が少ない
ペット共生マンションの数は増加傾向にあるものの、まだまだ物件数が少ないのが現状です。物件数が少ないため希望の条件にマッチした物件が見つかりにくく、場所や家賃など妥協せざるを得ない部分も出てきます。これからペット共生マンションが増えてくることに期待したいですね。
2：入居費用や家賃が高め
ペット向けの設備が充実していることなどから、ペット可賃貸と比べると敷金礼金などの入居費用や家賃が高めに設定されている場合が多いです。通常の物件でも設備が充実していれば家賃が高めになるので、それと同じです。
3：ペット審査がある
ペット可賃貸は大家さんにOKさえとれれば入居することができますが、ペット共生マンションにはペット審査があるため、問題行動が見られる場合入居が断られることがあります。全ての入居者がペットと暮らすことを前提に入居しているとはいえ、お互いが気持ちよく暮らすためにはペット審査が必要なのです。（※ペット審査の基準は物件によって異なります）
まとめ
ペット共生マンションはまだまだ数が少ないですが、リノベーションでペット共生マンションに作り直すなど、徐々に増えていっています。ペット可の賃貸物件を探す際、ペット共生マンションがないかぜひ探してみてください。
ペット可・相談の賃貸物件は以下のリンクで特集しているので、ペットと暮らせるマンションをお探しの方はぜひご覧いただければと思います。