都市ガスとLPガスは価格が違う?!賃貸物件を選ぶときに知っておきたいガスの基礎知識

都市ガスとLPガスは価格が違う?!賃貸物件を選ぶときに知っておきたいガスの基礎知識

突然ですが、「都市ガスとLPガス(プロパンガス)の違いを5つ挙げよ?」と問われたら答えられるでしょうか? その5つは原料、性質、ガス会社、供給方法、料金区分で、ガス会社と供給方法の違いは説明できても、原料と性質はうまく説明できないという方は多いのではないでしょうか。料金区分も意外と知らない方が多いと思います。

物件によって都市ガスかLPガスかが異なるため、基礎知識を知っておくと賃貸物件を探す際に役立ちます。都市ガスとLPガスの5つの違い、料金の差についてまとめましたので、引っ越しをする予定の方はぜひ知っておいていただければと思います。

都市ガスとLPガス(プロパンガス)の違い

都市ガスとLPガスはそれぞれ原料、性質が異なり、供給しているガス会社、供給方法にも違いがあります。

都市ガス

 都市ガスとLPガスは価格が違う?!賃貸物件を選ぶときに知っておきたいガスの基礎知識

原料

都市ガスの原料はメタンを主成分とする天然ガスです。メタンは燃える気体で、点火すると青い炎を出して燃えます。燃えやすい性質であることからガスの原料として使用されています。日本で使われている天然ガスは、海外から輸入した液化天然ガス(LNG)が大半で、主な輸入先はオーストラリア、カタール、マレーシアです。世界中のさまざまな国から輸入しているため、特定の地域で紛争などが起きて供給が止まってしまった場合でも安定して輸入できます。

性質

都市ガスは無色・無臭ですが、ガス漏れ発生時にすぐ気づくように匂いがつけられています。匂いの成分は人体に無害で、ガス臭いと感じる匂いはガスに本来ある匂いではありません。

原料であるメタンは空気よりも軽く、ガス漏れすると天然ガスは天井部に溜まる性質があるため、ガス漏れ警報器は天井近くに設定しています。天然ガスそのものには毒性のある物質が含まれていないため、吸い込んでもガス中毒にはなりませんが、不完全燃焼による一酸化炭素の発生や火災の恐れもあるので、ガス漏れの際は窓や戸を開けて空気を入れ替えてください。

ガス会社

都市ガスはお住まいの地域の都市ガス事業者が供給しています。東京ガス、大阪ガス、東邦ガスなど、全国に200以上の都市ガス事業者があります。一地域に一事業者となっています。

供給方法

道路の下に通っているガス導管を通じて供給される仕組みになっています。

料金区分

都市ガスは公共料金となっています。

LPガス(プロパンガス)

 都市ガスとLPガスは価格が違う?!賃貸物件を選ぶときに知っておきたいガスの基礎知識

原料

LPガスの原料は、プロパンやブタンを主成分とする液化石油ガス(LPガス / LGP)です。一般的にプロパンガスと呼ばれますが、プロパンだけを成分としているわけではないため、LPガスが本来の名称です。日本国内のLPガスの約80%は海外からの輸入でまかなわれています。

性質

LPガスも天然ガスと同じように本来は無色・無臭ですが、ガス漏れにすぐ気づくように人工的に匂いをつけています。

LPガスは空気よりも重たいため、ガス漏れすると床に溜まる性質があります。そのため、LPガスのガス漏れ警報器は床面近くに設定されています。空気よりも重いため、窓や戸を開けてもそのままでは屋外に拡散できませんので、ホウキで掃き出す、または団扇(うちわ)などで扇ぎ出すようにしてください。電気のスイッチのオン・オフは危険ですので、換気扇、扇風機などは使用しないようにしましょう。

ガス会社

LPガスはお住まいの地域のLPガス事業者が供給しています。大手LPガス事業者は日本瓦斯、西部ガスエネルギー、東邦液化ガス、大阪ガスLPGなどで、全国に約2万社あるといわれています。

供給方法

LPガスが入ったボンベを事業者が配送し、家の外に設置します。ガス管を通すことができない郊外などではLPガスが必要とされます。

料金区分

LPガスは自由料金となっており、事業者ごとに料金が異なります。

都市ガスとLPガス(プロパンガス)はどっちが安い?

公共料金と自由料金の差

都市ガスは公共料金であるため、料金は国や自治体への届出・許可が必要で、事業者が勝手に変えることはできません。また、ひとつの地域にひとつの事業者と決まっているので価格競争が起きず、めったに料金は変わらないです。

対してLPガスは自由料金であるため、会社に料金に差があります。料金改定に国や自治体の届け出・許可が必要なく、原油価格の高騰、為替の影響などを理由に価格が変動することがあります。そのため、LPガスの方が高い料金に設定される傾向があります。

設備費用の差

都市ガスを利用するためのガス導管の設置費用は、建物の持ち主が負担しています。そのため、賃貸住宅では貸主が導管の設置費用を負担する必要がありません。

LPガスの設置費用はLPガス事業者が負担して無料としている場合が多いですが、実際はガス料金に含まれているので利用者が負担しているのと変わりありません(事業者によるので一概にはいえませんが)。いずれにしても、設置費用がかかるため都市ガスよりも料金が高くなる傾向があります。

火力の差

LPガスは都市ガスよりも火力が強いため、LPガスは飲食店や製造工場などでの利用が多いです。

まとめ

賃貸によって都市ガスかLPガスかの違いがあるため、賃貸を選ぶ際はどちらを採用しているのかチェックしておきましょう。LPガスの方が料金が高い傾向があるので、安く済ませたい方は都市ガスの方がよいかと思います。