住めば都な居心地の良い街はたくさんあります。でも、実際に住んでみないとその良さはわからないもの。というわけで、長年その街に住んでいる人にその良さを聞いてみましょう!
今回の“住めば都な街”は「下北沢」。音楽や食、古着など若者のカルチャー溢れるこの街の魅力を教えてくれるのは、駅南口から徒歩3分、南口商店街を下っていくとあるバー「mother」(マザー)の店長、山崎春奈(やまざきはるな)さんです。春奈さんは下北沢で生まれ育ったという生粋の“シモキタっ子”。一体、どんな話をしてくれるのでしょうか?
歩いて回れるちょうど良い“小ささ”と “便利さ”
―― 突然ですが、下北沢の街の魅力って何だと思いますか?
山崎さん:歩いて回れるコンパクトさが魅力かなって思います。下北沢の端から端まで歩いても1時間くらいなので、自転車がなくても全然生活できちゃいますよね。実際、私も今自転車を持っていないです。
―― 自転車がなくても事足りますか?
山崎さん:下北沢って1時間圏内にスーパーやコンビニ、服屋さん、家具屋さん、ケータイショップ、レコード屋さんなんかが凝縮されているんですよ。私は下北沢に住んで、下北沢で働いているので、何もなければほとんど電車に乗ることもないですね。
参照:Google Map
―― 下北沢で働く人は確かにいいかもしれませんね。でも、通勤する人にとってはどうでしょう?
山崎さん:通勤する人にとっても良い環境だと思いますよ。下北沢には小田急線と京王井の頭線が通っているのですが、新宿なら快速で5分、渋谷なら井の頭線の快速で3分なので、そのあたりにオフィスがある人なら、ものすごくいいんじゃないでしょうか?
―― なるほど。でも、それだけアクセスが良いと、少し賑やかすぎる心配はありませんか?
山崎さん:確かに街中は休日にはたくさん人が来ますし、朝まで開いているお店もあるので賑やかではありますが、住宅街は落ち着いているんですよ。それから、駅前から15分も歩けば緑道や羽根木公園があって自然にも触れられますし、すごくバランスの良い街なんじゃないかなって思います。
昔とどう変わった? 人の流れ
―― 子どもの頃からずっと下北沢にお住まいとのことでしたが、下北沢の変化を感じることってありますか?
山崎さん:そうですね。やっぱり小田急線が地下に潜ったのは大きいでしょうね。それによって良くも悪くも変わったなとは思います。
―― 具体的にはどんなことが変わりましたか?
山崎さん:お店がだいぶ画一的になってきましたよね。それから、今までは電車を降りてすぐにホームに行けたので、ふらっと立ち寄って1杯飲んで帰るっていうような人がいたんですけど、ほとんどいなくなっちゃいましたね。あと、個人的には電車の車窓から下北沢が見えなくなったのは寂しいかな。
―― 逆に、良くなったことはなんでしょう?
山崎さん:オオゼキの前にあった「開かずの踏切」がなくなったことで、通勤する人はだいぶ便利になったんじゃないですかね。さっきも話したように下北沢はコンパクトな街なので、街を歩いて回る人には良いんじゃないかなと思います。
motherさんについて
―― motherさんは44年前に下北沢にオープンされたということですけれども、オーナーさんから譲り受けた形ですか?
山崎さん:いえ、私は5年前から店長になってメインで店に立ってますが、オーナーは引き続き経営をしてくれています。ちなみに、オーナーっていうのは、私の母なんです。
―― えぇっ! そうなんですか? 44年前にお母様がお店をオープンされた理由って伺ってます?
山崎さん:女性が働ける場を作りたかった、って言ってましたね。母は自由な感覚を持っていて、柔軟に店づくりをしてきたことが40年続いている理由かもしれないです。
―― そうなんですね。Motherさんにはどんな人がよく来ますか?
山崎さん:本当に色々ですね。10代の方から昔からの常連で70代くらいの方もいますよ。あと、外国人の方も多いですね。下北沢に外国人観光客の方が増えてきていることや、Lonely planet(ロンリープラネット)っていう「地球の歩き方」の海外版にも載っていることなんかも関係しているんじゃないかなって思います。
―― じゃあ若い方でも大丈夫ですね。……一見さんでも大丈夫でしょうか?
山崎さん:もちろんです! ただ、うちのお店、ドアが閉まっていると、ちょっと入りにくいでしょ?(笑) でも、開けたらすごく居心地の良い店だってすぐにわかってもらえると思うので、勇気を出してドアを開けてほしいと思います。一杯だけでも、ゆっくりしていっても良いお店なのでお気軽にいらしてください。
住むとしたら、新代田~世田谷代田エリアがオススメ
―― 最後に、下北沢に住むことを検討している方がいたら、どのあたりに住むことをオススメしますか?
山崎さん:そうですね。新代田~世田谷代田エリアが家賃もお安いし、静かで良いんじゃないかなって思います。下北沢からも歩いて、ちょうど10分くらいですしね。あとは少しだけ遠くなりますが、梅が丘もお家賃的にはオススメです。
それから下北沢から歩いて5分のところにある池ノ上駅周辺は、ローカルな飲み屋さんが多くて楽しいってうちのスタッフが言ってました。三軒茶屋との間にある太子堂エリアも少々お値段が張りますが、三軒茶屋駅から田園都市線に乗れるので、自転車があると色んな路線が使えて便利かもしれませんね。
最後に
都心へのアクセスが便利なのにも関わらず、落ち着いて暮らせる下北沢。自転車いらずのコンパクトタウンでありながら、必要なものはだいたい揃うとあって、一人暮らしの方にも向いているかもしれませんね。
ちなみにお話には出ませんでしたが、下北沢は意外とラーメン屋が多く、明け方まで開いているお店もけっこうあるようです。
ラーメン好きにも嬉しい下北沢の家賃相場はこちらです。
店舗情報
- Mother(マザー)
- 住所:東京都世田谷区代沢5-36-14
- TEL:03-3421-9519
- 営業時間:17:00~26:00(金・土は~29:00まで)
- URL:http://www.rock-mother.com/
街情報
▶︎交通の便
- 池袋まで……約23分
- 新宿まで……約11分
- 渋谷まで……約5分
▶︎平均家賃
- 1R……7.67万円
- 1K……8.31万円
- 1DK……10.03万円
- 1LDK……13.88万円
- 2K……9.75万円
- 2DK……12.78万円
参考:下北沢の賃貸物件
(※2016年7月27日時点の情報です)