
ある日突然、住んでいる賃貸住宅から退去を求められたらどうしますか? 強制退去となれば住む家を失い、引っ越し資金がない場合は路頭に迷ってしまうことでしょう。
強制退去に至らないまでも、注意を受けたり退去を求められたりしないように、退去にいたる可能性があるケースを知っておきましょう。強制退去を求められる5つのケースを解説しますので、賃貸に住んでいる方、これから賃貸を探される方はチェックしておいてください。
賃貸物件によって契約条件や規約はさまざま
賃貸の契約条件や規約は物件によって異なります。前の住居ではOKだったから次の住居もOKだろう、と考えるのは危険です。故意でなくとも知らずに規約違反をしている可能性もあります。契約書に書いてある以上、知らなかったでは済まされません。
トラブルの度合いによっては退去を求められることもあります。何度注意を受けても改善がみられない場合は大家さんや管理会社から強制退去を求められる可能性も高くなります。
知らないうちに規約違反をしてしまうケースもありますので、賃貸の契約を交わす時は必ず条件や規約を確認しておきましょう。
強制退去を求められる可能性があるケース5つ

家賃滞納
基本的に家賃は前払いとなります。当月の家賃を支払っているわけではなく、翌月分の家賃を前払いしているのです。
振り込みを忘れていたり、残高不足で引き落としができなかったりして1〜2日ほど家賃の支払いが遅れたからといって退去を求められることはありません。しかし、2ヶ月、3ヶ月と家賃を滞納するごとに強制退去を求められる可能性が高くなっていきます。家賃の滞納は契約に違反しているわけですから、退去を求められるのは当然です。
支払いの督促や退去に応じなかった場合は、裁判にまで発展するケースもあります。家賃を何ヶ月滞納したら強制退去を求められるかは賃貸物件によりますが、そもそも家賃を滞納してはいけません。滞納すると数ヶ月分まとめて支払わなければならなくなるので、滞納するほど自分で自分の首を締めるだけですし、住まいを失うことになります。
騒音
賃貸ではよく騒音トラブルが問題になります。夜遅くまで大きな声で騒いだり、大声で歌ったり、隣の部屋まで聞こえるほどのテレビの音を大きくしたりといった騒音行為を繰り返し、再三注意を受けたにも関わらず騒音行為をやめない場合は強制退去を求められる可能性があります。
楽器の音も騒音トラブルの元になります。楽器演奏が可能な物件であっても隣まで漏れるほどの大きな音で演奏したり、深夜の演奏禁止のルールを破って演奏したりすると騒音トラブルに発展します。建物の防音性能や演奏の音量にもよりますが、隣や上下の部屋に音が漏れ聞こえないように注意しましょう。
無断でペットを飼育
ペットを飼育が可能であるかどうかは物件の規約によって決められています。ペットの飼育が禁止されている物件であるにも関わらず、ペットを飼育すると退去を求められる可能性があります。外に出さないからバレないだろうと思っていても、留守中の鳴き声でバレたりします。
小型犬や中型犬はOKでも、大型犬の飼育を禁止している物件もあります。多頭飼いがOKかどうかも物件によって異なります。犬はOKでも猫NGもありますので、ペット飼育可の物件でも規約をよく確認しておかなければなりません。
ペットの飼育については相談次第で許可してもらえることもあります。ペット飼育可ではない物件であっても許可してもらえるかもしれないので、大家さんに相談してみましょう。
迷惑行為
ベランダからゴミを投げ捨てる、ベランダにゴミを溜めて悪臭を発生させる、隣の部屋を覗こうとするなどの迷惑行為を繰り返すと強制退去を求められる可能性が高くなります。
もちろんこれらの迷惑行為をすること自体由々しき問題なのですが、ゴミの不始末によって悪臭を発生させる、ベランダに放置した物が気づかないうちに腐食して悪臭を発生させるなど、臭いで隣の部屋に迷惑をかける可能性もあります。臭いは目に見えないものですが立派な迷惑行為に該当します。ペットの臭いも問題になることがあるので、臭いには注意してください。
定期借家の契約期間が過ぎている
賃貸の契約には「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があります。「普通借家契約」は借主が希望する限りは継続して契約することが可能で、貸主からは正当な事由がない限りは解除できません。
一方、「定期借家契約」は期間が定められている契約で、契約期間が終了した場合は借主が契約更新を希望しても明け渡さなければなりません。契約期間が終了しても居座り続けた場合、強制退去に発展する可能性があります。「普通借家契約」と「定期借家契約」では契約期間の定めが異なりますので、事前によく確認しておきましょう。
迷惑をかけなければ問題は起こらない
強制退去を求められるのは、家賃滞納で大家さんに迷惑をかけたり、騒音などで他の住人に迷惑をかけたりした場合です。迷惑をかけなければ問題は起こりませんし、規約を守っていれば強制退去を求められることはありません。継続して迷惑をかける行為が強制退去へとつながるので、注意されたらすぐに直しましょう。
おわりに
賃貸では騒音トラブルが多いので、騒音で迷惑をかけないように注意しましょう。壁が薄いとどうしても隣の部屋や上下の部屋に音が漏れてしまうので、必要以上に生活音に気を遣いたくない方は防音性能が高い物件を選びましょう。
賃貸でも楽器の練習をしたい方は、楽器相談可の物件がおすすめです。以下のページで楽器相談の賃貸物件をお探しいただけます。
※楽器相談可の物件でも他の住人に迷惑をかけない範囲で練習をしてくださいね。