一人暮らしで焼き肉をする時に気をつけておきたい5つのこと

一人暮らしで焼き肉をする時に気をつけておきたい5つのこと

焼肉。それは人類が火を使いはじめた時から現在まで、多くの人を魅了してやまない永遠のロマンス。

そんな焼肉を「自分の部屋でもやりたい……」と思うのは人間の性であり、肉を焼いて食べるという有史以来の文化的行為によって明日への活力を養おうとすることは、日本国憲法第25条(参考:Wikipedia)にも書かれている通り、もはや”健康で文化的な最低限度の生活を営む権利”ではないでしょうか。

しかし、焼肉は素敵な思い出とともに強烈な匂いをも残すものです。今回は「それでも肉が焼きたいんだ」という「肉」というクロスを纏い、抱きしめた心のコスモを感じる「強敵(とも)」のために、一人暮らしでよくある間取りの1Rや1Kで焼肉をする際に気をつけておきたい5つのことを「基本編」と「応用編」に分けてご紹介します。

家で焼肉をするときに気をつけたいこと(基本編)

家で焼肉をするときの最大の悩みは、煙・匂い・油です。まずは、当たり前だけど疎かにしがちな対策として、3つの基本的な方法をご紹介します。

1. 窓を開ける

 一人暮らしで焼き肉をする時に気をつけておきたい5つのこと
まず大事なのは換気扇を回し、窓を開けることです。
驚くべきことに、窓を開けると焼肉の煙や匂いを外に逃がすことが可能になります。ただ、効果はそれだけではありません。

古代ギリシアなどでは、この世界の物質は「火・風(空気)・水・土」という4つの元素から構成されると考えられていました。なかでも、各元素に対応する「熱・冷・湿・乾」を提示したアリストテレスの四性質説は肉を『熱』し、『冷』たいビールを飲み、『湿』っぽい話は無しにして、『乾』いた肉は網の端へ」という焼肉の一連の流れにピタリと符合します。

窓を開けるだけで、煙や匂いを軽減できるのはもちろん、窓の外の「世界」と直接向き合うことにより、古代ギリシアから続く「世界」と「焼肉」とのダイナミズムをも感じることができる。そのような行為を私は焼肉以外に存じ上げません。

2. なるべく肉を焼かないようにする

 一人暮らしで焼き肉をする時に気をつけておきたい5つのこと
肉を焼くばかりが焼肉ではありません。肉という「主役」だけでは焼肉は成立しないのです。

実際に焼肉のプロが鎮座まします焼肉専門店などでは、野菜焼き・お子様ランチ・メロンフロートなど、めくるめく肉以外のバッドテイストなメニューがあることでしょう。

例えば、伝統芸能である歌舞伎ひとつとっても二枚目、三枚目がいます。ならば、焼肉でも書き出し(主役)の肉以外に、二枚目に野菜(色男担当)、三枚目に豚足(お笑い担当)と、肉以外の食材を充実させるのです。きっと、家ではなく専門店で焼肉をしているかのような意識へと変革がもたらされ、あなたの焼肉エクスペリエンスをグッと高めてくれるでしょう。さらに、食材の中で肉の比率が下がることにより、煙や匂い、脂なども相対的に軽減できるという、まさに一石二鳥のテクニックなのです。

焼肉だからと言って、血管が浮き出るほどテンションを上昇させてしまい、壊れたジュークボックスのように肉だけを焼きつづけてはなりません。家焼肉のステレオタイプなイメージの支配からは今日限りで卒業するべきです。

3. 時間が解決してくれるのを待つ

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時間というものは、お金と同じくらいの解決能力を持っています。別れた相手との思い出や、過去にあった辛い出来事など、世の中の大概のことは時間が解決してくれます。これは焼肉の残り香も例外ではありません。

意外に思われるかもしれませんが、時間とともに、壁や衣服についた焼肉の匂いや脂もというものは、時間とともに少しずつ消えていきます。そして、仲間と楽しく肉を焼いた思い出も徐々に薄れていくのです。

今や皆、社会に出て、家庭を持ち、昔みたいな馬鹿はできなくなった。そんなことを懐かしみながらベランダで一服していると、ふと鼻孔の奥に、網の隅で真っ黒になって転がっていた豚ホルモンの焦げた匂いが蘇ることでしょう。

家で焼肉をするときに気をつけたいこと(応用編)

基本編で紹介した方法では「当たり前すぎて物足りない」「もっと完全に匂いを消したい」というワガママな方のために、応用編として「コイツ……できる!」と言わせる一歩進んだ対処法もご紹介させていただきます。どれも手軽にできるものばかりですので、ぜひ参考にしてみてください。

1. コンパクトな送風機をレンタルする

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人工的に強烈な風の流れを作り出すことができれば、焼肉の煙や匂いを部屋の外に排出することができます。

ここはひとつ、コンパクトな送風機をレンタルしてみることをオススメします。送風機は撮影などでも良く使用されるので、比較的簡単にレンタルすることが可能です。

例えば、海外の会社「Reel EFX, inc」が発売している『RE 2 Turbo Fan』という製品は、直系450mmというコンパクトさゆえ、取り回しが効くのも高ポイントです。

また、焼肉女子のあいだで話題沸騰中の”ビーム風”や”拡散風”を強力なレベルで生み出すことができます。どんな煙の流れにもフレキシブルに対応可能なので、七輪やホットプレートから窓の外までスマートかつシームレスに、焼肉の煙や匂いを排出することができるでしょう(※)。

※小さめのインテリアなどは飛ばされないように、釘などで壁に打ち付けておくか、事前にすべて売り払っておきましょう。そのお金で肉もより多く買えます。

こちらのレンタル費用は、業者にもよりますが大体1日5,000円ほど(配送料別途)で利用可能です。しかも、重さは8kgほどですから、グラムあたりなんと0.625円という、他の肉たちを一瞬で置き去りにする驚異のコストパフォーマンスを実現しています。

2. 部屋にダクトを取り付ける

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昔から「餅は餅屋」と言うもので、やはり焼肉対策に一番詳しいのは「焼肉屋」でしょう。

ならば、焼肉屋のやり方を参考にしてしまいましょう。そう、カギとなるのは、七輪などの上に配置されているダクトです。

これさえ部屋にあればもう安心。例をひとつ挙げるとすれば焼肉、お好み焼き、焼き蕎麦、焼きガニ、焼きうどん、焼きまんじゅう、焼茄子、焼鳥、イカ焼き、お好み焼き、もんじゃ焼き、大判焼き、たこ焼き、生姜焼き、卵焼き、焼きオニギリ、ブリの照り焼き、ちゃんちゃん焼き、焼き牡蠣、焼き餅、タバコに打ち上げ花火、ひいてはエクトプラズムまで、とにかく煙が出るようなものならば何でも業務用ダクトの圧倒的な吸引力が無かったことにしてくれます。

取り付け工事もとても簡単。お値段も大体8,000万円もあればお釣りがくるでしょう。一見、プロレタリアートな私たちには一生涯労働しても払えないような金額に思えますが安心してください。

例えば、2015年2月現在の中央競馬払戻金ランキングでは、2012年の8月4日に行われた「メイクデビュー新潟」における三連単の払い戻しが2,983万2,950円で史上最高額となっていますから、こういった手頃なレースを2、3発当てれば問題なく購入できますし、ついでに牛も丸ごと何頭か買えます。

ちなみに三連単の組み合わせは最大でも4,896通りなので、TOTOBIGなどの約480万分の1に比べれば楽勝です。細かいことは気にしないでください。

まとめ

冒頭でも申し上げました通り、焼肉というものは人類が火を使いはじめた時から現在まで、多くの人を魅了してやまない永遠のロマンスでございます。

もしかしたら、上記でご紹介したテクニックでは焼肉の匂いが落ちなかったという方も出てくるかもしれませんが、「みんなと家で焼肉をやったら匂いが落ちなくなっちゃった」という、ちょっぴり間抜けな経験は、きっと楽しい思い出として残ってくれるでしょう(※)。

※噂によると、たしかに楽しい記憶は蘇ってくれるものの、壁紙などは蘇らずに敷金が返還されなくなる場合もあるそうなので、注意が必要です。