契約上でよくあるトラブル事例(賃貸、契約、トラブル)
賃貸借契約を巡るトラブルでよくみられるのは、主に敷金の返還を巡っての借主と貸主の解釈の違いです。「原状回復をするとは聞いていたが、こんな費用まで負担するとは言っていない」「こんな特約があるとは知らなかった」など、言った・言わない、説明を受けた・受けていないというトラブルがよくみられます。このようなトラブルを防ぐためには、どのような点に気をつければいいのでしょうか。
重要事項説明の重要性
賃貸借契約を巡るトラブルでは、借主が貸主側の主張に対して「そんな契約事項は聞いていない」と反論するケースが多く、このようなトラブルを防ぐため、宅地建物取引業法に基づき制定された国家資格の保有者である「宅地建物取引主任者」によって契約前に重要事項の説明が行われます。
なお、この説明は「重要事項説明書」を相互に確認しながら、宅地建物取引主任者が内容を読み上げながら注釈を加え、借主は「確かに重要事項の説明を受け、内容を理解した」証拠として重要事項説明書に署名捺印を行います。この段取りを踏まなければ賃貸借契約を結ぶことができません。重要事項説明、今後発生するであろう金銭のやり取りや契約する賃貸の居住条件を把握することで万が一に備えることができるのです。
「重要事項説明」においてチェックしたいこと
「重要事項説明」においては、全ての項目に目を通す必要があります。しかし、どこに重点を置くかは人それぞれでしょう。例えばインテリアにこだわりたい方なら「どこまで部屋をアレンジしてよいのか?」楽器演奏の趣味がある人は「どんな楽器が可か?」などです。
また、近年多いのは「ペット可」でありながら、対象となるペットが1匹だけで、しかも小型犬に限定するなどの制約が置かれているようなケースです。
退去時の敷金の精算方法について
敷金は賃料の滞納分に充てられるのか、原状回復費用として使用されるのか。これに関しては一番トラブルに発展しやすい事案ですので、神経を尖らせてしっかりと確認しておきましょう。
もしこれに関して詳しい説明がなければ、必ずそこで疑問を呈してメモを残しておくようにしましょう。
「原状回復費」の部分まではっきりさせたい、という方は、「床の傷や壁の汚れなど、どこまでが経年劣化に含まれるのか」まで詰めて確認しておきましょう。
賃料と更新料について
契約する賃貸に長く居住する場合、更新料はいくらかかるのか、どの時期に払うのかなども必ず確認しておきましょう。入居中に家賃が増減するということも、全く起こりえないわけではありません。また、こういった重要な事柄はメモや録音で確かな情報を残して、後々トラブルに発展しないよう気をつけましょう。
ほかにも気をつけたいこと・アクシデント対応など
契約書や重要事項説明書に書かれていること以外でのトラブルというのはあまり多くありませんが、例えば隣人や上下階の方との騒音トラブル、水道や冷暖房機器の故障などが挙げられます。このような万が一の事態が起こったとき、誰に連絡をいれるべきか把握しておく必要があります。大家さんに連絡すべき物件もあれば、管理会社に連絡すべき物件もあります。これも契約時、明白にしておきましょう。