最近はオール電化に対応している賃貸住宅が増えています。オール電化住宅は省エネ、かつ安全であるとして人気で、物件選びの条件のひとつに挙げる人も少なくありません。
オール電化という言葉はよく聞くけれど、実は詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか? そこで今回は、オール電化住宅のメリットとデメリットについてまとめました。オール電化賃貸住宅を選ぶ際の参考にしていただければと思います。
オール電化住宅とは?
オール電化住宅は冷暖房、給湯、調理など住宅内で使用するすべてのエネルギーを電力に統一した住宅を指します。全電化住宅とも呼ばれ、ガスを使用するお風呂の給湯やキッチンのコンロなどが電力で使用できるようになります。
これまでは電気とガスを併用する住宅が一般的でしたが、オール電化住宅の登場によって電力だけで住宅内のエネルギーをまかなえるようになりました。「オール電化」の名の通り、ガスを使わず電気だけで生活できるんです。
オール電化住宅のメリット
オール電化住宅には、8つのメリットがあります。いずれも電力に一本化することで得られるメリットであるため、オール電化賃貸にしようか迷っておられる方にぜひ知っていただきたいです。
1. 安全性が高まる
ガスを使用するガスコンロは調理中に衣類に着火したり、吹きこぼれによってガス漏れが発生する危険があります。一方、オール電化住宅のキッチンで使用するIHクッキングヒーターは火を使わないため、ガスコンロよりも安全性が高いです。
小さいお子さんやご高齢の家族、ペットのいるご家庭では、ガスコンロよりも火を使用しないIHクッキングヒーターの方が安心でしょう。ただし、IHクッキングヒーターも熱を発するため、火傷や発火には注意しましょう。
2. 室内の空気が汚れない
ガスを使用すると二酸化炭素が発生し、室内の空気が汚れてしまいます。しかし、オール電化住宅はガスを使わないため、室内の空気が汚れません。ガス漏れの危険もないため、一酸化炭素中毒になる心配もありません。
3. ガスの基本料金が節約できる
電気とガスを併用するとそれぞれ基本料金がかかりますが、オール電化住宅では電気しか使いません。ガスの基本料金が不要なので、光熱費の節約になります。
4. 深夜電力の利用で電気代の節約
東京電力の「電化上手」という電力契約プランを例に解説すると、昼間の電気料金は割高になる代わりに、夜間や朝晩の電気料金が安くなります。夜間は午後11時〜午前7時まで、朝晩は午前7時〜午前10時と午後5時〜午後11時の時間帯です。
昼間は仕事で家を空けているご家庭なら、夜間と朝晩の料金が安い「電化上手」を利用した方がお得になります。電気料金が安い夜間のうちにエコキュートでお湯を沸かして貯めておくなど、深夜料金を上手に活用すれば電気代を節約することができます。
※電力会社によって電力契約プランが異なりますので、お住まいの地域の電力契約プランをご確認ください。
5. 調理器具のお手入れがしやすい
ガスコンロは五徳(真ん中の鉄の部分)や汁受け皿があるので掃除がしにくいですよね。IHクッキングヒーターは表面がフラットなので、ガスコンロよりも断然お手入れがしやすいです。布巾でさっと拭くだけで綺麗にできるので、調理器具の掃除が楽になります。
6. 電気は震災時の復旧が早い
地震によって電気、ガス、水道がストップしてしまった場合、この中で最も復旧が早いのは電気です。オール電化住宅なら、早く通常の生活に戻ることができます。
ガスは復旧に時間がかかるため、ガス併用住宅はガスが復旧するまで調理したりお風呂を沸かしたりできません。1日でも調理やお風呂を沸かせない状態が続くのはとても不便です。大きな地震が発生するとガスの復旧までにかなり時間がかかる場合があります。
7. 貯湯タンクの水を震災時の生活用水に使用できる
エコキュートや温水器にはお湯や水を貯めておく貯湯タンクがありますので、震災時に水道がストップしてしまっても、貯湯タンクの中に貯まっている水を生活用水に使用することができます。飲用水としては使用することはできませんが、手洗いやトイレ、入浴用に使用することができるので、水道が復旧までの間に貯湯タンクの水が使えるのはとても助かります。
8. 太陽光発電との併用で電力を最大限活用
オール電化住宅は太陽光発電システムと組み合わせることにより、最大の効果を発揮します。太陽光発電システムによって自家発電した電力を効率よく使うことができるためです。日中に電気が余った場合は売電し、夜間の電気料金に当てることもできるでしょう。
オール電化住宅のデメリット
メリットも多いですが、オール電化住宅にもデメリットはあります。
1. IHクッキングヒーターの火力への不満
古いIHクッキングヒーターとガスコンロを比較した場合、安全性ではIHクッキングヒーターが勝っていますが、火力ではガスコンロの方が勝っています。強火を使うことの多い中華料理をよく作られる方には火力が足りないと感じるかもしれません。また、IHクッキングヒーターと調理器具が接触していないと熱を得られないため、鍋やフライパンを煽る必要のある料理にも向きません。
ただし、新しい200VのハイパワータイプのIHクッキングヒーターはガスコンロにも劣らない火力を生み出せます。火力を重視する方は、据え付けのIHクッキングヒーターの最大火力を確認しておくとよいでしょう。
2. 使える調理器具が限られている
IHクッキングヒーターはIH用の調理器具しか使用できないため、鍋やフライパンなどを買い換える必要があります。ガスコンロは調理器具を限定しませんが、オール電化住宅は調理器具の選択肢が少なくなってしまいます。
3. 貯湯タンクの衛生問題
オール電化住宅はタンクに貯めてある水を使用するため、衛生面の問題からそのまま飲むことはできません。オール電化住宅では一度沸騰させて飲むのが原則です。また、タンク内の衛星を保つために、定期的な清掃が必要となります。
4. 停電すると何も使えなくなる
オール電化住宅は住宅内のすべてのエネルギーを電力でまかなっているため、停電すると何もできなくなります。調理も給湯もできないため、電気が復旧するまで生活がストップしてしまいます。
5. IHクッキングヒーターが発する電磁波による影響
IHクッキングヒーターを使用した際に発する電磁波は人体に無害であるという通達は正式には出ていないため、電磁波による影響を問題視する声もあがっています。また、IHクッキングヒーターの使用によってペースメーカーがリセットされたという事例も報告されています。電磁波に関しては安全とも危険とも言えない状態ですので、判断が難しいところです。
まとめ
いかがでしたか? ここまでご紹介したように、オール電化住宅には8つのメリット、5つのデメリットがあります。メリットとデメリット、両方に目を向け、深夜料金をうまく活用して電気代を活用するなど、ライフスタイルも考えた上でオール電化住宅を選ぶか判断していただくのがよいでしょう。
オール電化住宅に住みたいなと思った方は、オール電化の賃貸物件特集でオール電化対応の賃貸物件を探してみてくださいね。