楽器相談可の部屋なのに、防音性が低くて全然楽器が演奏できない! という事態に陥らないように、心置きなく楽器が演奏できる賃貸物件を探す6個のコツをご紹介したいと思います。
防音性が高い部屋は隣から音や声が聞こえてきにくく、こちらの生活音も漏れにくいので、楽器を演奏しない方にもオススメです。音を気にしない快適なライフを送るために、内見時の防音チェックのポイントをおさえておきましょう!
建物の構造による防音性
建物の構造は木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄筋鉄骨コンクリート造があります。それぞれ防音性が異なるため、防音性が高い賃貸物件を探す時はまず建物の構造をチェックしましょう。
木造
文字通り木を材料に建てているため、防音性は最も低いです。壁、床、天井、すべての面で音が漏れ伝わります。薄い壁の木造住宅だと、夜は隣の人のいびきが聞こえる、隣部屋の携帯電話の着信音が聞こえる、上階で子供が走り回るとドンドンと音が響くなど、ひどい騒音に悩まされることもあります。
鉄骨造
鉄製や鋼製の部材を用いて建てられていて、S造やS構造とも表記されます。建築コストが安いことから、アパートに多く採用されている構造です。厚さ6mm以上の構造用鋼材を使用して建築された建物は重量鉄骨造、厚さ6mm以下のものを使用している建物は軽量鉄骨造と区別されます。
鉄という言葉から防音性が高そうなイメージがありますが、じつは防音性はあまり高くありません。重量鉄骨造と軽量鉄骨造は鋼材の厚さに違いがありますが、壁の厚さではなく構造材の厚みの違いなので、防音性に違いは表れないのです。鉄骨造も振動が伝わりやすいので、木造と大差ないと認識しておいた方がよいでしょう。
鉄筋コンクリート造
鉄筋コンクリート造はマンションに多く採用されている構造で、RC造と表記されます。鉄筋入りコンクリートで建てられているので、木造や鉄骨造よりも強度が高いです。
防音性も木造や鉄骨造より高いので、防音性の高い部屋に住みたい方は最低でも鉄筋コンクリート造の物件を探した方が良いでしょう。
鉄筋コンクリート造には建物を柱で支えているラーメン構造と、鉄筋コンクリートの壁で建物を支えている壁式構造の2種類があります。実はラーメン構造と壁式構造では防音性に差があり、壁で支える壁式構造の方が防音性は高くなっています。
鉄筋鉄骨コンクリート造
鉄筋鉄骨コンクリート造は鉄骨の周りに鉄筋を組んでコンクリートを打ち込む構造で、SRC造と表記されます。木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造よりも耐久性が高く、高層マンションなどに採用されています。
防音性は高いですが、鉄筋コンクリート造との違いはほとんどありません。鉄筋コンクリート造自体が防音性が高いので、防音にこだわる方は鉄筋鉄骨コンクリート造か鉄骨コンクリート造がおすすめです。
防音性能のチェック方法
鉄骨コンクリート造と鉄筋鉄骨コンクリート造の防音性が高いのは前述のとおりですが、同じ構造を用いていても建物によって防音性に差があります。内見時にやっておきたい、防音性能のチェック方法をご紹介します。
1. 窓の防音性のチェック
壁や天井の防音性が高くても、窓が防音されていないと外に音が漏れてしまいます。考えてみれば、窓は部屋の中での最も薄い箇所なので、音漏れしやすいのは当然ですよね。
窓ガラスとサッシの間から音が漏れるため、隙間が多いと音が漏れやすくなります。窓ガラスを開閉する時にガタガタするようなら窓ガラスとサッシの間の隙間が大きいということなので、防音性が低いと判断できます。
窓を閉めた時、開けた時で外の騒音の大きさがどれほど違いがあるかの確認もしておきたいところです。2人で内見に行くなら、窓を閉めて外か内から話しかけてもらい、窓にどれぐらい遮音性があるか確認してみましょう。1人で内見に行く時は、不動産屋さんに頼んだり、車の音などで判断します。
また、サッシにはT-1〜T-4まで等級があり、数字が高くなるほど防音性も高くなります。もし確認できるようなら、不動産屋さんにサッシの等級を聞いてみましょう。
2. 壁を叩いてみる
壁をコンコンと叩いた時、壁にコンクリートが入っている防音性の高い壁は硬めの感触があると思います。防音性の低い壁の場合は中が空洞になっているので叩くとすぐに分かります。
ただひとつ注意したいのは、叩いた時の感触が硬すぎる場合です。そんなときは、コンクリートに直接壁紙を貼っている可能性があります。通常、コンクリートと壁紙の間にはボードが貼られているのですが、ボードを貼らずにコンクリートに壁紙を直接貼られているケースがあるのです。
そうした壁には結露が発生しやすいため、カビが生えやすかったり壁紙が剥がれやすかったりします。内見で防音チェックのために壁を叩く時は、ボードのことも頭に入れてチェックしましょう。
3. 間取りをチェック
間取りによっても防音性が変わってきます。隣室との間に収納スペースがあると布団や衣類などが吸音してくれるので防音性が高くなります。隣も収納スペースならより高い防音性が期待できます。不動産屋さんに隣室の間取りについて間取り図などを見せてもらい確認してみましょう。
4. フローリングの防音性をチェック
クッションフロアーを採用している部屋の場合、フローリングが柔らかめに感じられます。柔らかいと防音性が低そうと感じるかもしれませんが、クッションフロアーが足音などの音を吸収してくれるので防音性は高くなります。
少し強めに歩いた時に足音が響くようなら、上階からも足音が漏れ聞こえる可能性があります。壁の防音性に気を取られてしまいがちですが、床の防音性のチェックも必須です。
5. ラーメン構造か壁式構造かチェック
同じ鉄筋コンクリート造でもラーメン構造と壁式構造が存在し、壁式構造の方が防音性が高いことは前述のとおりです。見分け方は簡単で、部屋の角や天井の角に柱や梁が出っ張っていればラーメン構造、なければ壁式構造です。内見時にさりげなく部屋の角をチェックすれば、どちらの構造なのかが分かります。
6. 不動産屋さんの話を鵜呑みにしない
不動産屋さんに防音性を聞いたところ、防音性が高い物件との返答。でもちょっと待ってください! 不動産屋さんは実際にそこに住んだことがあるわけではないので、構造上の防音性しか知らないはずです。それに、不動産屋さんは契約をとりたい気持ちがあるので、どうしてもプラスの面を中心に話をします。
不動産屋さんの話を鵜呑みにし、内見時の防音チェックを怠ると失敗する可能性があります。マイナス面も含めて判断できるように、必ず自分でも5つのチェックポイントを確認するようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか? 楽器を演奏する人にも、そうでない人にとっても騒音が聞こえない、あるいは音漏れを気にしなくて済む防音性の高い物件は魅力かと思います。防音性が高い物件に住んでみたい! という方は、楽器相談の賃貸物件特集から物件を探してみてくださいね。