「住みたい街ランキング」には入っていないけど、絶対住むべき街シリーズ〜第12回：王子〜

「王子」と聞いて思い浮かべるのは、白馬に乗ったイケメン？それとも北区の街？というわけで、「住みたい街ランキング」には入らないけれどオススメの街を紹介する当企画で紹介するのは、もちろん街の「王子」です。

王子は北区の中でも南東部にある街。身近なところでは、ティッシュやトイレットペーパー、紙おむつなどの日用品でもおなじみ、王子製紙発祥の地でもあります。

そんな王子で暮らしたくなる魅力はこの3つ！

それでは説明していきましょう。

1.「都電荒川線」という存在

王子はJR京浜東北線、東京メトロ南北線、都営バス、さらに都電荒川線が使える場所。
京浜東北線や南北線が働く人たちにとって非常に便利なことは当然ですが、ここで侮れないのが都電荒川線。

JR京浜東北線の北口を出ると、都電乗り場が。バスと同様、JRや東京メトロでは遠回りになる場所をカバーしていますが、バスと違うのは時間通りに動いてくれること。大人170円（ICカードの場合165円）の都電は、住んでいる人には当たり前のものとして街になじんでいます。

大きい通りを抜け、住宅地へと入る姿は花やしきのジェットコースターのようでもありますが、そのたたずまいが何ともいい雰囲気。そして、日ごろの忙しさにいら立つ人の心をホッとさせてくれるはずです。

休みの日には、「途中下車の旅」をしてみたくなるような都電荒川線。わずか1両の電車ですが、5～7分程度の間隔で走っており、他の路線への乗り換えができる駅もあるので意外と使えます。

春になると桜が咲き乱れ、ニュースなどにも取り上げられる飛鳥山公園。しかし、ここは桜だけがウリの場所ではありません。

飛鳥山公園は非常に広く、すべて歩き回るだけでもかなり大変。この日もウォーキングやランニングをする人がいて、緑に囲まれた景色を見ながらヒーリング効果を得ながら体力もつけられるという、ジムいらずの最高の場所です。

また、ここには「渋沢資料館」、「北区飛鳥山博物館」「紙の博物館」という、「飛鳥山3つの博物館」があります。

「渋沢資料館」は現在のみずほ銀行や東京証券取引所、帝国ホテル、聖路加病院など多種多様な業種の設立に携わった渋沢栄一の功績を集めた資料館。さらに旧渋沢庭園や大正時代に建てられた当時としてはモダンな建物、青淵（せいえん）文庫と晩香盧（ばんこうろ）も併設されています。

また、北区飛鳥山博物館は、北区のこれまでの歴史を知ることのできる場所。3階には資料閲覧コーナーのほか、食事もできる「カフェ・ヴァーチュ」があるので、北区の歴史を知り、さらにここまで歩いてきた体を休められます。

最後に「紙の博物館」は、紙を作る機械やさまざまな種類の紙の展示、さらには和紙の手漉き実演会やミュージアムトークといったイベントも行っています。もともとは王子製紙跡にあったそうですが、高速道路の建設により、今の場所に移転したそうです。そのおかげで、3つの博物館が並んで建つことになりました。

入館料はすべて大人300円。3館を1日で回る3館共通券なら720円とかなりお値打ちです。

駅前はチェーン店の居酒屋や定食屋、ファストフード店が多く、夜は外食で済ませたい人にはもってこいの場所。
でもそうした店に一人で入っても、寂しさはあまり感じないはず。取材中にも街の方に話しかけられたり、お店でも店員さんが気さくだったりと、どこか安心できる雰囲気がありました。

ちなみに、駅周辺でWi-Fiが使える店はスターバックスやマクドナルド、ドトールコーヒーといったチェーン店がメインと考えた方がよいでしょう。

それから、自炊で頑張る皆さんには、JR王子駅中央口を出たすぐのところに東武ストアがあります。こちらの営業時間は深夜2時までと、終電で帰ってもまだ開いているのがありがたいところ。ドラッグストアやクリーニング店が併設され、日用品も置いているのでお世話になることも多いでしょう。

王子は上記に書いた博物館以外にも、駅の近くに「お札と切手の博物館」もあり、さまざまな歴史に興味がある人には、特に心惹かれる場所でしょう。また、都電荒川線も一服の清涼剤になりそう。

飲食店はチェーン店が多いとはいえ、裏道に回ると地元に根差した店もあります。王子に住んで、「この街の住人だからこそ知っている店」を探し、街の人たちの人情に触れてみてはいかがですか？

▶交通の便