犬、猫、うさぎ、小鳥などペットと暮らせる賃貸住宅は、選び方を間違えるとペットに負担をかけてしまいます。滑りやすいフローリングは犬が腰や股を傷めやすく、欧米の住宅でよく使われるタイルは犬の足腰に優しいなど、知らないと見過ごしてしまうマンション選びのポイントがあります。ペットの視点になって考えると、物件の選び方が変わってくるでしょう。
今回は、ペット可のマンションを選ぶ時のポイントをまとめましたので、ペットを飼っている方、これからペットを飼う予定の方はマンション選びの参考にしてください。家族の一員であり、パートナーであるペットと幸せに暮らすために、ペットのことも考えてマンションを選んであげたいですね。
ペット相談可の賃貸住宅
一口にペット相談可の賃貸住宅と言っても、犬のみ飼育可としている住宅や、猫もOKの住宅、はたまた中型犬・大型犬NGの住宅があったりと、住宅によって許容範囲に差があります。住宅の間取りや設備によっても暮らし方が変わってくるので、これから解説するポイントをふまえ、後悔しないように賃貸物件を選びましょう。
ペット可マンション選びのポイント1:床材の種類
フローリングを採用している賃貸住宅が多いですが、フローリングが原因で脱臼したり股関節の病気になる犬が増えています。犬にとってフローリングは非常に滑りやすい場所で、足を滑らせると股関節や腰を傷めます。滑りやすいフローリングは犬の足腰にダメージを与えるため、できるだけ滑りにくい材質のフローリングを選んであげましょう。
タイルは滑りにくく掃除もしやすいため、ペットや人に優しい床材です。欧米でたくさん犬を飼っている住宅でも腰や股を傷める犬が少ないのは、タイルを採用している住宅が多いことが理由のひとつに挙げられます。愛犬の足腰のことを考えると、フロアタイルやタイルカーペットがおすすめです。
ペット可マンション選びのポイント2:防音性
ペット可のマンションは防音仕様であることも多いですが、住宅の構造によって防音性が大きく変わります。
防音性の高いマンションは、鳴き声で近隣に迷惑がかからないようにするだけでなく、音に敏感なペットが安心して暮らせるようにするためでもあります。筆者の猫の場合、車のドアが閉まる音が怖いみたいで、家の前に駐車している車がドアを閉めるたび「うぅ〜……」と唸りながらどこかへ隠れてしまいます。完全に外の騒音を遮断するのは難しいですが、動物は人間以上に音に敏感なので、防音には充分配慮してあげましょう。
賃貸物件の防音チェックの方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
ペット可マンション選びのポイント3:道路や線路から離れた場所を選ぶ
先ほどの防音性にも関係していますが、道路や線路が近くを通っていると車や電車の騒音でペットが不安を感じてしまいます。トラックがバンバン通る国道に近く、しかも防音性が低いマンションはペットにとってあまり良い住宅とは言えません。道路や線路から離れていて、車や電車の音が聞こえにくい場所を選んであげましょう。
ペット可マンション選びのポイント4:動物病院が近くにある
ペットの具合が悪くなったときに備え、動物病院が近くにあるマンションを選ぶと安心です。最近は動物病院の数が増えていますが、病院によって設備も対応も違うので、実際に通って獣医さんの診察の仕方や説明の丁寧さなどを比較して良い動物病院を見つけましょう。
ペットは具合が悪くても人間のように言葉にして訴えることができないので、飼い主が気づいてあげなければいけません。しかし、猫のようにじっとしていることが多く、我慢強い動物は体調不良に気づきあげにくいため、定期的に獣医さんに診てもらった方が安心です。
ペットの体調不良で特に注意したいのは便秘です。高齢になると便を出す力が弱まり、便秘から重篤な状態に陥る危険性があります。犬も猫も便秘になりますので、ちゃんとうんちをしているか見てあげ、便秘が続く場合は早めに獣医さんに診てもらいましょう。
ペット可マンション選びのポイント5:公園、ペットOKのカフェが近くにある
近くに広めの公園があると、犬の散歩のコースになります。交通量の多い道路の近くを散歩するより、公園内を散歩する方が安心です。ただし、草がある場所にはマダニが潜んでいることがあるので、充分注意しましょう。
ペットOKのカフェが近くにあるとより理想的です。ドッグカフェにはワンちゃん用のメニューもありますので、1日お留守番している愛犬のご褒美に連れていってあげると喜びますし、飼い主同士の交流にもなります。
ペット可マンション選びのポイント6:安心できるスペースを作ってあげる
ペットが安心して寝られる場所を作ってあげましょう。普段は家の中を自由に歩き回っていても、来客があった時や外で大きい音がした時などに隠れらるスペースを作っておくと、ストレスを軽減してあげられます。特に猫は怖がりですし、自分のテリトリーがあると安心するので、隠れられるスペースを作ってあげましょう。
ペット可マンション選びのポイント7:高層階は避ける
ベランダから外に飛び出すことを考慮し、高層階は避けましょう。万が一落ちても無事なように1〜3階あたりが安心です(3階でも落ちたら大変ですが…)。隙間から隣のベランダに行ってしまうこともあるので、ベランダとベランダの間の小さな隙間を工夫して封鎖しておきましょう。
ペット可マンション選びのポイント8:対象外のペットでも相談してみる
犬のみ可としているマンションでも、大家さんに相談してみると猫の飼育をOKしてくれたり、対象外のペットを認めてくれる場合があります。犬は飼っているけど猫は飼ったことがない大家さんの場合、猫が壁を引っ掻くことを懸念するので、ちゃんと爪とぎ対策をするなど、大家さんの不安を解消しながら相談するのがコツです(筆者が今住んでいるマンションがそうでした)。
ペット可マンション選びのポイント9:暑さ・寒さ対策
夏に窓を閉めっぱなしで外出すると、留守番しているペットが熱中症になってしまいます。特にコンクリート打ちっぱなしで、断熱対策が施されてない部屋は夏暑く冬寒いため、あまりおすすめしません。
夏はクーラーをつけたままにしましょう。冬は毛布などで暖をとれるようにしてあげた方がいいですね。窓を開けっ放しにすると防犯に不安があるので難しいところですが、防犯面も考慮し、ペットが暑さや寒さで参らないようなマンションを選んであげたいですね。
ペット可マンション選びのポイント10:ペットを飼うことに理解があるマンション
ペット可マンションでも、ペットを飼っている人が多いマンションと少ないマンションがあります。ペットを飼うことに理解があり、ペットを飼っている人がきちんとマナーを守っているマンションが理想です。
マンションの周りに糞がよく落ちていたり、入り口の汚れが目立つ場合、マナーが守れていない可能性があります。自分自身が他の住人に迷惑をかけないようにマナーを守るのはもちろんですが、住人同士のトラブルを避けるために、ペット飼育のマナーが守れているかどうかチェックして選びましょう。
まとめ
ペット可マンションを選ぶ一番のポイントは、ペットが安心して暮らせるかどうかです。床材、音、暑さ、この3つのポイントは特に大事で、人間の視点ではなく、ペットの視点で考えてあげましょう。ペットは大事な家族の一員ですので、ペットが暮らしやすいマンションを選んであげたいですね。
犬や猫を飼っている、またはこれから飼う予定の方は、以下のリンクからペット可・相談の賃貸物件を探してみてくださいね。