フローリングと畳は見た目の違いだけでなく、機能面でもさまざまな違いがあります。フローリングと畳にはそれぞれメリットがあり、反対にデメリットもあります。
フローリングと畳のどちらを採用している賃貸住宅を選ぶべきか迷っている方は、それぞれのメリット・デメリットを比較して自分に向いている方を選びましょう。実は意外と知られていない畳のメリットも解説していますので、ぜひ参考にしてください!
フローリングのメリット
フローリングには3つのメリットがあります。フローリングは畳よりもどんなところが優れているのでしょうか?
掃除がしやすい
フローリングは掃除がしやすいため、清潔さを保ちやすいメリットがあります。基本的に掃除機でほこりやチリを吸い取り、掃除機で吸い取れない汚れは水拭きで拭き取ります。水拭きをする際の注意点は、後ほど解説するフローリングのデメリットで解説します。
ダニが発生しにくい
ダニは畳に発生しやすいですが、フローリングはダニが発生しにくいです。ダニはほこり、食べかす、フケ、ペットの毛などを餌にしますが、掃除がしやすいフローリングはダニの発生を抑えることができます。フローリングに敷いたカーペットや布団を掃除しないままでいるとダニが発生するので、こまめな掃除が必要です。
メンテナンスの手間がかからない
畳は裏返し、表替えといったメンテナンスが必要ですが、一般的な賃貸住宅に使われている複合フローリングはほとんどメンテナンスの手間がかからず、摩耗に強いものが多いので長持ちします。無垢材を使用した無垢フローリングの場合は、定期的にワックスを塗るなどのメンテナンスが必要です。
フローリングのデメリット
フローリングは使っている木材の種類にもよりますが、主に2つデメリットがあります。2つ目の「水に弱い」というデメリットは、フローリングの水拭きに関係しているので、よく水拭きをするという方は要チェックです。
踏み心地が硬くて足が疲れやすい
フローリングは畳と比べて硬度が高いため、踏み心地が硬くて足が疲れやすいことがデメリットのひとつに挙げられます。木材の種類によって材質の硬さが異なるので、同じフローリングでも硬さに差があります。たとえば杉は柔らかく傷がつきやすい木材ですが、踏み心地が柔らかいので他の木材と比べて足が疲れにくいです。
水に弱い
フローリングは水をこぼしてもすぐに浸透しないため、表面的な水分を拭き取る分には水に強いと言えますが、水分が長く触れていると水が浸透して膨張したり変色してしまいます。湿気にも弱いので、湿気が溜まりやすい構造の物件はフローリングによくありません。
基本的にフローリングは掃き掃除や掃除機で構いませんが、黒ずみや皮脂汚れなどを取るには水拭きが必要です。フローリングを水拭きする際、水分が残ったまま放置しておくと変形や変色を起こしてしまうので、水拭きした後は必ず乾拭きするようにしましょう。
畳のメリット
フローリングを採用する住宅が増えてきたので、最近は畳が減っています。しかし日本独自の文化である畳には、フローリングにはないこんなメリットがあります。
調湿機能
畳は大気中の水分を吸収・放出する調湿機能(湿度調整機能)を持っています。日本の梅雨から夏は多湿でじめじめして不快ですが、畳が湿気を吸収して室内の湿度を抑えてくれます。反対に、冬は乾燥した室内に水分を放出してくれるので、乾燥を防ぐ役割を果たします。
畳はいわば自然素材の一種であるため、自然素材のメリットのひとつである調湿機能は畳にもしっかり備わっています。畳の許容量を超えるとダニやカビが発生しやすくなるので、締め切らずに定期的に換気をする、または湿気を逃がすために畳の下に除湿剤を敷いておくといいでしょう。
断熱性能
畳は、原料であるイ草が1本1本空気を含んでいるため、高い断熱性能を持っています。断熱対策として用いられる二重窓や複層ガラスは、二枚のガラスの間に空気の層を作ることで断熱効果を高めています。空気は熱伝導率が低いため、空気を多く含む畳にも断熱効果があるのです。
遮音性能
畳に含まれる空気は、遮音性能を高める役割も果たしています。イ草に含まれる空気が音を吸収するため、畳の部屋は遮音性が高くなります。イ草は衝撃音をやわらげる効果もあるため、足音が響きにくいメリットがあります。
リラックス効果
畳の原料であるイ草の香りには、精神をリラックスさせる効果があります。イ草の香りを嗅ぐと落ち着くのは、イ草の香りに沈静効果があるからです。イ草の香りは心を落ち着かせて集中力をアップさせる効果もあるため、畳の部屋の方が勉強の環境に向いています。
畳のデメリット
フローリングのメリットでも少し触れましたが、畳にはいくつかデメリットがあります。畳のデメリットは3つあります。
シミになりやすい
畳の上に飲み物や食べ物をこぼすとすぐに染みこんでしまうため、シミにやりやすいです。フローリングも長く水分に触れていると水分を吸収してしまいますが、畳の方が吸水が早いのですぐに拭かないとシミが残ってしまいます。
ダニが発生しやすい
ダニは湿気が多い環境を好むため、畳が湿気を吸い込んだ状態が続くとダニが発生しやすくなります。換気はダニにとっての天敵ですので、ダニの発生を防ぐには定期的な換気が必要です。こまめに掃除と換気を行っていればダニが発生しにくくなります。
重たい家具を置くと跡がつく
畳はやわらかい床材であるため、重たい家具を置いたり、長い間同じ場所に家具を置いておくと跡がついてしまいます。跡を消す方法をひとつ紹介すると、沸騰させたお湯につけたぞうきんを絞り、跡の上にぞうきんを置きます。その上からアイロンをかけ、乾燥させると跡が目立たなくなります。
まとめ
元々、畳は日本の風土に合わせて作られた床材ですので、高温多湿の日本では畳の調湿機能が活躍します。湿気が溜まるとダニやカビが発生しやすくなるので、畳の部屋はこまめに掃除と換気をすることが肝心です。
フローリングは掃除がしやすく、メンテナンスの手間がほとんどかからないので楽ですね。ほとんどのワンルームがフローリングですので、フローリングに慣れている方が多いと思います。2LDKなど2部屋以上ある賃貸住宅を探すなら、フローリングと畳の両方があると使い分けができていいですね。
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