
日本のウォシュレット(温水洗浄便座)の性能の高さは海外でも知られており、日本では70%以上の住宅に設置されているほど普及しています。賃貸でも温水洗浄便座付きの物件は増えており、もはや温水洗浄便座は生活になくてはならない存在です。
普段は何気ない存在としてある温水洗浄便座ですが、実はウォシュレットはTOTOの商標であるということ、間違った使い方をすると皮膚を痛めてしまいかねないことなど、意外と知らないことがあります。温水洗浄便座を間違った使い方をして体を痛めないために、そして快適なトイレライフを送るために、温水洗浄便座の正しい使い方を解説したいと思います。
ウォシュレットはTOTOの商標
すべての温水洗浄便座を総合してウォシュレットと呼んでいる方は多いと思いますが、実はウォシュレットはTOTOの商標であるため、TOTO以外の温水洗浄便座をウォシュレットと呼ぶのは正しくありません。INAXの温水洗浄便座はシャワートイレ、Panasonicはビューティ・トワレといい、東芝はクリーンウォッシュという商標を持っていますので、全体を指すには温水洗浄便座と呼ぶのが正しいです。
ウォシュレットは温水洗浄便座全体を指す言葉として普及しているため、温水洗浄便座を総合してウォシュレットと呼んでも通じるので日常生活で問題はありませんが、温水洗浄便座付きの賃貸を選ぶなら、各社の名称は知っておいた方がいいでしょう。
温水洗浄便座の間違った使い方
温水洗浄便座は使い方を正確に知らなくても使えるので、なんとなくこれで合っているだろうと思って使っている方が多いと思いますが、間違った使い方を続けるのは体に良くありません。では、どういった使い方が間違っているのでしょうか?
1. 強い水圧で洗う

汚れをしっかりと落とそうと、強い水圧で洗っている方は多いと思います。しかし、強い水圧で洗い続けるとお尻の皮膚を痛めてしまいますし、痔を悪化させてしまうことにもなります。それに、便が混じった水が周囲に飛び散ってしまうので、衛生的にも良くありません。
また、温水洗浄便座で洗浄後、トイレットペーパーで強めに拭くのも皮膚を傷つけてしまいます。水圧もトイレットペーパーも、強くしすぎると皮膚を痛めてしまい、お尻が痛くなるので要注意です。
2. 肛門を広げた状態で洗う
しっかり洗浄したいがあまり、肛門を広げた状態で洗っている方は要注意です。奥まで洗い過ぎると、腸粘膜を保護している粘液まで洗い流してしまい、細菌を防げなくなってしまいます。洗い過ぎると、腸を守るために必要な粘液まで洗い流してしまい、皮膚炎になってしまうので注意しましょう。
3. 長い時間あてている
20秒、30秒、40秒…1分、と長い時間かけて洗浄をするのも良くありません。強い水圧で洗ったり、肛門を広げて洗浄したりするのと同じように、長い時間洗浄をすると皮膚を痛めてしまいます。洗い過ぎると体に必要な常在菌まで洗い流してしまい、体にあるべき常在菌のバランスが崩れてしまいます。
4. 排便前にも使用する
便秘でなかなか排便できない時に、排便を促すために使うのはあまり良くありません。この方法に慣れてしまうと、刺激がないと排便がしにくくなってしまいます。温水洗浄便座は排便後の汚れを落とすためのものですので、便意を刺激するために使うのは間違った使い方です。
温水洗浄便座の正しい使い方
ここまで温水洗浄便座の間違った使い方を紹介しましたが、ここからは正しい使い方の解説です。皮膚や腸を痛めないために、水圧や洗浄時間など、正しい使い方を知っておきましょう。ポイントはさっと洗うぐらいの気持ちで使うことです。
1. 水圧は弱めで充分
温水洗浄便座は水圧で汚れを落とすわけではなく、水で洗い流すことが目的ですので、水圧は弱めでも充分な洗浄効果があります。一番弱い、または下から3番目ぐらいまでに留めておいた方がいいでしょう。
あと、次に使った人が「強」になっているとびっくりするので、もし「強」にした場合は必ず「弱」に戻すようにしましょう。
2. 肛門の真ん中を避けて洗う
肛門の真ん中に当ててしまうと腸内まで水が入り、粘液を洗い流してしまうため、少しずらすぐらいがちょうどいいです。綺麗に洗いたいのでつい真ん中に当ててしまいますが、腸内に水が入るのは良くないので、真ん中に当てるのは避けましょう。前後に移動してまんべんなく洗浄してくれるムーブが付いている温水洗浄便座もあります。
3. 洗う時間は5秒〜10秒で充分
水をあてる時間は5秒〜10秒で充分です。5秒もあてれば洗浄はできます。10秒以上は洗い過ぎなので、長くても10秒以内にしておきましょう。10秒を超えてあて続けると、長い時間あてないと気が済まなくなってしまうので、長くあててしまう方は要注意。5秒でもしっかり洗浄はできているので、さっと済ませる程度で大丈夫です。
4. 先に洗い流してからトイレットペーパーで拭く
洗い流してからトイレットペーパーが拭くのが正しいのか? それともトイレットペーパーで拭いてから洗い流すものなのか? と、ふと迷った方は案外多いのではないでしょうか。
正解は、洗い流してからトイレットペーパーで拭く、です。お尻の汚れは水に溶けやすいため、先に温水洗浄便座で洗い流してからトイレットペーパーで拭く方が綺麗に汚れを落とせます。
まとめ
水圧を強めにして使ったり、排便前に使ったりしている方は多いと思いますが、それはウォシュレットの正しい使い方から外れています。これらの使い方は皮膚を痛めたり、刺激がないと便意を感じにくくなってしまったりするので、結局自分を苦しめることになります。正しい使い方をすれば、温水洗浄便座に関わるトラブルを回避できますので、この機会にぜひ覚えていただければと思います。
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