
賃貸物件を借りるには、多くの場合連帯保証人が必要となります。家族や親戚に頼まれて保証人を引き受けている方も多いのでは。しかし、引き受けたはよいものの、連帯保証人はどのような責任を負うのかきちんと理解している方は少ないのではないでしょうか。
「賃貸契約に連帯保証人が必要な理由」「保証人と連帯保証人の責任の重さの違い」「連帯保証人の責任の範囲」など、連帯保証人に関する5項目を解説します。解説を読んで、「え!? 保証人と連帯保証人ってこんなに違うの!?」と驚かれるかもしれません。連帯保証人を頼む人も、頼まれる人も、お互い連帯保証人の責任について理解しておきましょう。
賃貸契約に連帯保証人が必要な理由
賃貸契約を交わす際、多くの場合は連帯保証人を立てることが求められます。なぜ賃貸契約に連帯保証人が必要なのか? それは大家さんの立場で考えてみると答えは明白です。
もし借主が家賃を支払えなくなり、家賃が回収できなかった場合や、過失で壊した設備の修繕費を回収できなかった場合、損をするのは大家さんです。借主に家賃や修繕費を請求できない場合、代わりに支払ってくれる連帯保証人を立ててもらうと、大家さんとしては安心して部屋を貸すことができます。
家賃を滞納しないのは当然ですし、過失で壊した設備機器の修繕費はきちんと支払わないといけませんが、中にはリストラや入院など事情があって支払えなくなる人もいます。悪質な場合は支払えるだけの財産があるのに支払わなかったりする人もいるので、大家さんが家賃を回収できないリスクを回避するために連帯保証人制度が利用されています。
保証人と連帯保証人の責任の重さの違い
保証人も連帯保証人も、借主が家賃や修繕費を支払わなかった場合に、代わりに返済する責任を負います。その点ではどちらも同じですが、これら2つの保証人には実は明確な違いがあります。
保証人の場合は、大家さんに未払いの家賃や修繕費を請求されても、「まずは借主に請求して欲しい」と言うことができます。保証人が借主に未払金を支払えるだけの財産があることを証明できれば、借主の財産を差し押さえて欲しいとも主張できます。
しかし、連帯保証人の場合はその主張ができません。大家さんに未払金を請求されたら、有無を言わさず支払いを求められます。仮に借主に支払えるだけの財産があることが分かっていても、請求されれば代わりに支払いをする責任が生じます。
複数人の保証人がいる場合は、未払金を保証人の人数で割って支払いを分担することができますが、連帯保証人は複数人いても支払いの分担が認められておれず、全額の責任がのしかかります。
保証人と連帯保証人は似ているようでいて、責任の重さが全然違います。連帯保証人は借主と同じだけの責任を負うことになるため、ただの保証人とは大きな違いがあります。
連帯保証人の責任の範囲
連帯保証人は借主と同じ責任を追わなければならないため、借主が滞納した全ての家賃、修繕費、原状回復費用などを全て請求される可能性があります。お金の借入と違って上限が設定されていませんので、借主が滞納した分だけ支払わなければならなくなります。
現在、連帯保証人が負担する上限を定めるよう法改正する動きがあるため、改正が実現すれば連帯保証人は上限の範囲内で請求されることになります。まだ施行されたわけではありませんが、上限額を提示されることで逆に連帯保証人になることをためらう人が増える可能性も考えられます。
連帯保証人になれる人
連帯保証人を親・兄弟姉妹・親族に頼む方が多いですが、親族でなくてはならないという決まりはありません。会社の上司、友人・知人も連帯保証人になれなくはありませんが、会社の上司は在職中だけの一時的な関係である可能性が高いですし、友人・知人の場合は連帯保証人になっていても義務を放棄されることが多いので、連帯保証人は3親等以内の親族としている大家さんが多いです。
大家さんにとって連帯保証人は、貸し倒れのリスクを防ぐために立てておきたい人なので、できるだけ回収の可能性が高い人を求められる傾向があります。
保証人不要の賃貸物件
最近は、連帯保証人を代行してくれる家賃保証会社が増えていて、保証料を支払えば家賃保証会社が連帯保証人となってくれます。保証人不要の賃貸物件は、家賃保養会社に連帯保証人を依頼することで借りられる仕組みになっています。
保証人を頼める人が周りにいない人にとっては非常に助かりますし、連帯保証人を頼む手間を省くために家賃保証会社を利用される方も多いです。
まとめ
いかがでしたか。連帯保証人はただの保証人と違い、借主と同等の責任を負担することになります。連帯保証人になるときは責任の重さをよく理解してから引き受けましょう。
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