国交省も推進!自分好みに部屋をカスタマイズできる「DIY賃貸」のメリットと注意点

国交省も推進!自分好みに部屋をカスタマイズできる「DIY賃貸」のメリットと注意点

DIY賃貸という賃貸住宅があることをご存知でしょうか? 「DIYは知っているけど、DIY賃貸は初めて聞いたなぁ」と思われた方もいらっしゃると思います。

DIY賃貸とは、ズバリDIYをしてもOKな物件のことです!

これより、DIY賃貸とは具体的にどんな賃貸住宅なのか? DIY賃貸を選ぶとどんなメリットがあり、どんなことに注意すればいいのか? についてわかりやすく解説していきます。国土交通省もDIY賃貸を推進していて、これから増えていく可能性があるので、知らなかった方は本記事をきっかけに知っていただければと思います。

DIY賃貸とは

DIYは「Do It Your Self」の略語で、直訳すると「自分でやろう、自分で作ろう」という意味であり、つまりは日曜大工のことです。

DIY賃貸とは、一般的な賃貸物件とは形態の異なる物件のことを指します。通常、賃貸物件は自由に改修できませんが、DIY賃貸では入居者が自分で壁紙を張り替えたり、壁に釘を打って棚を据え付けたりといった改修が認められているため、”改修が可能”なのです。

国土交通省は「DIY型賃貸借に関する契約書式例」とDIY賃貸のガイドブック「DIY型賃貸借のすすめ」を作成し、DIY賃貸を推進しています。ガイドブックではDIY賃貸とは一体どんな賃貸住宅なのか、貸主・借主双方にとってのメリットや契約の取り決め事項のポイントなどをまとめています。

国土交通省のガイドブックはわかりやすくまとまっているので、本記事と併せて読んでみてください。

 国交省も推進!自分好みに部屋をカスタマイズできる「DIY賃貸」のメリットと注意点
出典:DIY型賃貸借に関する契約書式例とガイドブックの作成について ~個人住宅の賃貸流通の促進に向けて~

DIY賃貸のメリット(入居者側)

 国交省も推進!自分好みに部屋をカスタマイズできる「DIY賃貸」のメリットと注意点

メリット(1)自由に部屋を改修できる

たとえば、一般的な賃貸住宅では壁に釘を打ち付けて穴を開けると、敷金から原状回復費を差し引かれてしまいます。このことからも、自分好みに部屋をカスタマイズするのはなかなか難しいのが現状です。

しかし、DIY賃貸は部屋の改修を認めており、壁に釘を打ち付けるなどの改修が可能であるため、改修の自由度がかなり高くなります。持ち家のような感覚でDIYができるのは非常に魅力で、自分で何か造作したり改修したりするのが好きな方に向いています。

メリット(2)賃料が割安に設定されていることが多い

DIY賃貸はDIY工事費を借主が負担する代わりに、賃料が割安に設定されていることが多いです。工事費用がかかるものの、基本的な賃料の安さは魅力で、上手に工夫すれば通常の物件よりも安い賃料で自分好みの住まいに作り変えることができます。

DIYの工事費用をどれくらいかけるかによりますが、たとえば家賃相場より5,000円安いとします。すると、1年間で60,000円、2年間で120,000円の差が出るため、長く住むほどお得になります。

メリット(3)原状回復しなくていい

通常、退去時は借りた時の状態に戻して明け渡さなければならないため、できるだけ改修をせずに使っている方が多いと思います。

しかし、DIY賃貸は原状回復の義務を免除とする契約が多く、その場合は退去時に原状回復を行う必要がありません。本来は退去時に原状回復費を求められるようなレベルの改修を行ったとしても問題ないということです。原状回復を求められたらDIY賃貸に住む意味がないので当然ともいえますが、原状回復が不要であるのはDIY賃貸に住む大きなメリットです。これまでの賃貸住宅ではできなかった大胆な改修もDIYならできるので、いろいろ試してみたくなりますね。

DIY賃貸の注意点

(1)DIY工事が可能な範囲を確認しておく

DIY賃貸は自由に改修できるとはいえ、持ち家ではなく賃貸であることを忘れてはいけません。どこまで改修してOKなのかは、事前に契約内容をしっかり確認しておきましょう。

(2)原状回復の範囲を確認しておく

原状回復についてはメリットの項目で解説したように、基本的には原状回復を免除とする契約が多いです。しかし、原状回復の範囲は契約内容によって異なるため、事前にしっかり確認しておかないと退去時にトラブルになってしまいます。

工事部分以外、たとえば備え付けのガスコンロが経年劣化で故障してしまった場合など、既存の設備に対する原状回復の必要があるのかないのかを確認しておく必要があります。DIY賃貸はどこまでが経年劣化で、どこまでが借主の過失かの線引きが難しいので、事前に貸主や管理会社によく確認しておきましょう。

(3)工事部分は残置してもよいのか、撤去すべきなのかを確認しておく

明け渡し時に工事部分を残置するのか、それとも撤去しなければならないのかは、事前の契約で確認しておかなければなりません。残置で明け渡し可能な場合は原状回復の必要はありませんが、撤去の場合は原状回復の義務が生じることになります。

撤去が必要な場合、工事部分を撤去するだけで原状回復の必要がない場合もあるので、そこら辺の違いも確認しておいた方がよいでしょう。撤去&原状回復が義務となるとDIY賃貸の魅力が半減してしまう気もしますが、契約によって異なるので、残置か撤去かは必ず確認しておきましょう。

まとめ

DIY賃貸はまだそれほど多くありませんが、徐々に増えてきています。理想としている住宅はあるものの、なかなか条件に合致する物件を見つけることは難しいものです。また、見つかったとしても自分である程度カスタマイズができなければ、持ち家のように満足できる住宅にならないですよね。自分好みの部屋が見つからない方は、DIY賃貸を探して自分でカスタマイズしてみてはいかがでしょう。